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バッグから手帳とペンを取り出す貴子。
「明日、電話を入れてくれ。時間はその時に」
―――本当は、スケジュールなんか把握できていた。なんとか、この女に会わないで済む方法はないかな。
「わかりました。では、明日朝一に電話を入れさせていただきます」
―――朝一で? 全く朝からこいつの声を聞かされるのか? 厄日だな。
首を回す白井。
「では、失礼」
白井は、いそいで逃げるように貴子の傍を離れた。
―――あんなやっかいな女とは、近づかない方が俺の身のためだな。
行きかけた白井の目の前に、バッと突然現れる貴子。
「な、なんだ?」
「あの、仕事の話ならっておっしゃいましたよね?」
「ああ、それがどうかしたのか」
苛立つ白井。
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