第三段階 片思いというプロセス

4/5
前へ
/38ページ
次へ
翌日、尾田が会社へ行くと頭を抱えた貴子が既に出社してきていた。 「うっす」 「あ、尾田。昨日はゴメン」 両手を合わせる貴子。 「まあな。毎度のことだろ? 気にすんなって」 尾田は、貴子の頭をくしゃくしゃっとする。 「あのさ、尾田。私って昨日尾田と飲んだんだっけ?」 「へ?」 「尾田が送ってくれたのは、わかるの。でもねー、その前がねー」 呆れたように貴子を見る尾田。 「お前、それマジで言ってる?」 「うん。違うの?」 焦りまくる貴子。尾田は頭を抱えた。 「はー、お前って女は。いいか。良く聞けよ」 尾田は、貴子に近づくと小さな声で 「お前は、昨日、白井部長と飲んでたんだ。しかも、お前から誘ったんだと」 と耳打ちした。 「嘘でしょーーー」 自分の声が二日酔いの頭に響いたらしく貴子は、両手で頭を抱えた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

153人が本棚に入れています
本棚に追加