秘密

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彼はそんな荒れ果てた私をずっと心配してくれた。彼女に悪いなと思う反面、私を心配してくれている間は彼を独占できた気がして幸せだった。 そうしている間に、卒業の季節になった。彼は彼女と別れたことを報告してきた。理由は教えてくれなかった。 「そっか……残念だったね」 私はこの一言が精一杯だった。 自分がこれからどうするべきか、何も決められないまま卒業式の日になった。 朝起きて居間に行くと両親がいた。気まずい気持ちのまま卒業式か、と思っていると「もう好きにしろ!お前なんぞ勘当だ!」と父親に言われた。 そして卒業式どころか両親共に仕事に行ってしまった。 ビックリして、悲しくて、でも何かが吹っ切れて、私はそのまま家を飛び出した。 彼に私の気持ちも、たった今起こったことも何も言わないまま私は彼の隣から、そして地元から消えた…… ……今でも胸が苦しいよ。言わないけどね
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