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「そうだよ」
大きく息を吐く尾田。白い息が宙に舞う。
―――だいぶ、寒くなったなあ。
首をすくめる貴子の首にグレーとホワイトの格子柄のマフラーがぐるっと巻かれた。
貴子が見上げると、そっと優しい顔して微笑む尾田がいた。
「尾田、これ貸してくれんの?」
「そう、貸しだからな。あとで利し付けて返せよな」
尾田が得意げに言う。
―――なんだかんだいっても、尾田は結構優しい良い奴だったりする。
「うん。サンキュ。行こうか」
「うっす」
―――尾田は、私の大事な相方だ。色々世話になってるし、世話してる。持ちつ持たれつの間柄だ。
「寒いから、急ごうよ。尾田」
そう言って、貴子は先に走り出した。
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