0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
第一章 失恋
それは突然やってきた……
今までの努力がわずか十数秒で崩れ落ちた。まずなぜ私がこのように話すかを説明しよう。
私は桜陵学園(とうりょうがくえん)高校一年早乙女美咲。旧華族の早乙女公爵家のご令嬢、お金と地位と名誉はある。それなりの顔も持っている
私は決めた、学園の王子 花園志季くんに告白する。
いつもより20分早く登校し、前から2番目の私の席に座った。そして、斜め後ろの志季くんの席の引き出しに手紙を置いた。内容はよく考えたがやはり、無難に「昼休み校舎の裏に来てください。」と、しておいた。
毎時限、その事ばかり考えて集中出来ないが、その度に「大丈夫、私はこれまで何人の男を落としてきた?」と自分に問いかけ、安心させた。
昼休み、直行して校舎の裏へ行った。待っていたら……
キタ━━ヽ(´ω`)ノ゙━━!!ついに学園の王子花園志季様がーー。そして、単刀直入にいった。
「あなたのことが中等部の頃から好きでした。付き合ってください。お願いです。」
答えはすぐ返ってきた。
「無理です。」
「え…」
「そもそもあなたのことあまり知らないですし、ましてやそんな目でみたことはありません。すいません、生徒会があるのでこれで。」
「いや、あの、ちょっと……」
もう既にいなかった、私が、私が男を落とせないなんて、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ー もう終わりだ。
下校途中もその事ばかり考えていた。志季くんとこれからどう接すればいいのか?そう考えて階段を降りていた時だった、足を踏み外してしまった。
「Σ(゚∀゚ノ)ノキャー」
最後に見えたのは、木陰のベンチで休む高校生カップルだった。
最初のコメントを投稿しよう!