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第十七段階 思いやるのが本物の恋
付き合い初めてから、やっと彼女である涼子の家にあがることを許されていた尾田。
彼女の住むワンルームマンションへ入って、ソファに座り女性らしいこまごまとした雑貨品や明るい色のインテリアを眺めていた。
ーーーさて、今日こそは決めるだろ。鉄は、熱いうちに打たないとな。
「はい、ビール」彼女が缶ビールとグラスを持ってきてくれた。
テーブルにツマミを何品か用意してくれていた。
ーーー俺のために作ってくれたんだよなぁ。
しみじみしながら、ツマミとビール、そして彼女を眺めた。
「乾杯しようか」尾田が缶ビールを開ける。彼女にグラスを持たせてビールを注ぐ。自分のグラスには、彼女がビールをついでくれた。
「何に乾杯するの?」
「もちろん、初めて家に入れてもらえた記念日に乾杯」
グラスを合わせて、二人で微笑み合った。ビールを一口飲んで尾田は、彼女の腕を引きソファの自分の隣に座らせた。
彼女は尾田の大きな肩に頭をちょこんと、もたせかける。
尾田の腕が彼女の華奢な肩にまわる。彼女が尾田の顔を見上げて二人の視線が交わり、どちらからとも無く顔が近づいてゆく。
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