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「藤谷」
「ん?」
「俺にとってもお前は特別だからな。そこんところ覚えておけよ」
「うん。わかってる。いつもありがとう。相方くん」
―――相方。その立場でも構わない。俺は、お前を想っている。他の誰より特別だ。
目の前のビールをまた一気飲みする尾田。そんな尾田を微笑んで見守る貴子。
―――夜が明けなければいい。俺は、お前の傍にいられればそれでいい。
「ほら、藤谷。もっと飲め。俺がいるんだから」
「うん。そうする」
貴子も何かを吹っ切るようにグラスを空ける。優しく貴子をみつめる尾田は、今度は腹が減っていた事を思い出した。
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