不運

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ああ、私ここで死ぬのかなー 私は今まさに人生のどん底にいた。身体が麻痺して冷たいフローリングの上で苦しみに耐えることしかできない。 私をこんな身体にしたあいつはこんな息絶え絶えの私を見て笑顔を浮かべてやがる。発狂しながら私のことをリンチしやがって!ちくしょう、お前に見つからなければこんな最期にならなかったのに。 呪ってやる、呪ってやる。お前も私と同じ目に合えばいい。 そしてその5分後私は死んだ。私の死体はバラバラにされた挙句まるでごみのように棄てられ燃やされ跡形もなくなった。 まあ、しょうがない。運が悪かったのだ私は。私が死んだ理由は私の不運だ。 まず私はずっと自殺願望があった。ブスと呼ばれ役立たずと罵られ友達だった人にずっと好きな人を盗られた。それでも人生やり直そうと思った矢先これだ。しかも私を殺したのはその友達。友達とその彼は最近同棲をはじめいつか結婚しようと話もしているみたいだった。なんてひどい話だろうと思う。でも私だって鬼じゃない。二人が自然に恋愛関係になったのであれば複雑な思いを抱きながらも応援した。それなのに私と友達の共通の知り合いからこんな話をきいてしまったのだ。 「あの子、あなたが好きな人をわざととったのよ」 あの瞬間私は絶望のどん底に叩き落とされた。 応援するって言ってくれたのは嘘だったの?その人は話を続けた。 「あの子金持ちと結婚したいって言ってたよね?あなたの彼の話きいたらお金持ちってことに気づいてあなたに頼んで出会おうと思ったんだって」 確かに彼の実家はたくさんマンション経営してるって話も友達にしてたし、実際に会ってみたいって友達の頼みで3人で海にも行ったけどまさか横取りしようとしてるなんて思わないじゃない。 私が彼氏になって欲しい人がいるって言って写真見せたらカッコよくはないけど優しそうだねーって興味なさげに言ってたのに。 ちょっとぽっちゃりだけどこんな暗い私にも優しくしてくれるとことかが好きだったのに。友達の思わぬ裏切りに私の人生は真っ暗になった。 だからね、私リセットしようと思ったの。
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