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「心海(ここみ)、最上階なの!?」
総務の人から渡された紙を持って、立つのはそびえ立つマンションの前。
隣にいるのは同期の八重樫朱莉(やえがししゅり)
あたし、茅ヶ崎心海(ちがさきここみ)と朱莉は今年短大を卒業した21さい。
まだ誕生日はきていないから20さいだね。
目の前にそびえ立つのは、社宅であるマンション。
結構な大手企業に入社したようで、目の前のマンションはタワーマンションだ。
「最上階って眺めよさそう」
総務の人が渡してくれた紙には、あたしの部屋は3001と書いてあった。
「書き間違えじゃないよね?」
朱莉が心配そうに見る。
「でも、行くしかないよね。本当に最上階ならラッキー」
集合ポストを見てみても、最上階は30階になっている。
「空いてる部屋なかったのかな?」
「たぶん?じゃないと新入社員に最上階なんて与えないよね?」
「それかこの半年で、実力を飼われた?」
「それはないない!」
あたしたちは入社の4月からの半年間。
研修として、ホテル泊まりで会社に通っていた。
配属先が正式に決まった、いまやっと社宅に入社というわけ。
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