第一章~悪魔との同居~

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「え!?もう空きがない!?」 総務に電話をしてみると〝空きは他にありません〟なんて言ってる。 「あ、あの!知らない人がここにいるんですが!」 『知らない人……?』 「男の人で!ここに住んでるって言ってます……」 『さぁ……?しかし、空き部屋はもうないので申し訳ないけどそこに住むか部屋を探すかしていただけますか?』 「え!?あのっ!!!」 抗議をしようとしたが、聞こえてきたのはツーツーという無機質な音。 「え……」 空きがないのは、わかった。 でも、ここに住むか他を探せって……。 あたしはあなたの会社の新入社員ですよって話。 「くっ、その様子だと断られでもした?」 何がおかしいのか、くすくすと笑いながら部屋から出てくる。 たくさんある部屋のうちの一つから。 ……む、むかつく。 「あたし、この部屋なんですけど……」 「話がわかんねーやつだな。ずーっとここに俺は住んでんの。大学1年からいままで」 「は?大学生!?」 ここは、会社が用意してる社宅のはずなのに。
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