第一章~悪魔との同居~

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「俺?大学4年生。お前、新入社員ぽいけどさ、子供っぽいよな?」 上から下まで意地悪そうに笑いながら見られる。 「あたしは、短大出で……」 「あー。やっぱ年下か。ぜってー年上なわけないと思った」 新入社員とか言ってるあたり、ここが会社の社宅だとはわかっているようだ。 でも、なんで大学4年生がここに? もう内定出ててもおかしくないけど、でも彼は大学1年から住んでると言った。 「なんだよ」 彼のことを見上げていれば、怪訝そうに見られる。 「ここって社宅じゃあ……」 「ははっ!お前、考える頭ねーの?」 あたしの頭を人差し指で指す。 「は!?なんでそんなことアンタに……」 「普通わかるだろ?社員でもない俺がここにいる理由。しかも最上階」 「……わかるわけないじゃないですか」 あたしはエスパーでもなんでもない。 この人がどうしてここにいるかなんて、知るはずがない。
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