恋焦がれて

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「土地買って大きな施設建てれば?」 「そんな資金がうちにあるわけないだろ。関東圏で幅を利かせて福岡支部まで作れちまう長浜ジムとは違うんだよ」 それにもし建てることができたして、地方ではそれを維持できるだけの練習生の確保は難しい。……すぐ近所に長浜ジムもあるし。 「あっ、じゃあうちと合併して、長浜吉田ジムにしようぜ! ジム同士の結婚だ!」 「はぁ? 結婚? 何言ってんだお前」 うちは弱小ジムだが、親父の作った『吉田ジム』の看板を変えるつもりはない。そう伝えた直後、智典が横から割り入ってきた。 「長浜さん、そろそろご自分のジムに戻られてはいかがですか?」 「いや、まだ休憩時間だし」 「そうですかそうですか、戻られますか。では表までお見送りします」 「お、おい!」
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