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あいつには絶対に言えない。
自分で、自分の尻の穴に指を突っ込んで、あいつのものを想像して自慰しているなんて。
夕食を終えて智典がマンションに帰ると、ズボンとパンツを下ろし、畳の上で四つん這いになる。
目の前に置いているのは、今月の『ボクシングスピリッツ』。その表紙を飾る智典を見つめながら、唾液を絡ませた自分のひとさし指を、尻の中へ差し込んだ。
何度もそれを呑み込んできた直腸は、今夜も抵抗することなく、すんなりと受け入れた。
狭い肛門括約筋の奥には、思いのほか広い空洞がある。腸壁を指で撫でさすると空洞はキュウッと指を締めつけるが、すぐに緩み、また窄まり、収縮と弛緩を繰り返して、もっともっとと、はしたなくうねる。
それに応えて中指、薬指と本数を増やし、3本の指でより強い刺激を与えていく。
「ふっ、ん……」
内部を掻きまわす刺激と、目の前にある端麗な笑顔に対しての視覚的興奮で、触ってもいないのに男の印が膨れ上がっていく。
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