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バァン! バァン! 衝撃を受け止めながら、真剣な表情の智典を網膜に焼き付ける。
智典……
俺は、忘れない。
こうしてお前と練習したこと、ずっと覚えておく。
……好きだ。
だから、お前を引き留めたくない。
お前はもっと高いところで輝ける。太陽みたいにまばゆく昇っていくお前を、俺はここから見守っているから。ずっと応援してるから。……ずっと、好きだから。
「よし、いい感じだ。5分休憩して、次はスクワット60セットな」
「はい」
智典の汗をタオルで拭いてやりながら、切なくうずく鼓動を抑えようと努力する。
想いを伝えるつもりはない。……だけど、期限があると思うと、つい、あと少し、欲しくなる。
触れ合いたい……。
恋人同士のようなものでなくていい。
選手とトレーナーの関係の範囲内でのスキンシップで構わないから、こいつに、触れたい……。
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