俺の光

20/42
前へ
/267ページ
次へ
「どうしたらいいんでしょう……」 「情けない声出すなや。……よし、ワイがあいつと再戦するときのために考えた必勝法を、お前に授けてやるわ。特別出血大サービスやで。耳かっぽじってよう聞きや」 「な、なんですか?」 「ヒットをどんだけ喰らっても、KOすれば勝てるんや」 「……はぁ、」 加地さんはまたまた舌打ちして、俺をビシッと指差した。 「つまるところ、拳が届けばええねん。さっきも言うたけど、お前のパンチが当たれば、あいつも余裕ぶってられんくなる」 「いや、それが届かないから負けたんですけど……」 「なら届くようにせぇや。リーチ差が6センチあるなら、6センチぶん腕を伸ばせ」 「そんな無茶な……」 「無茶でもなんでもせぇへんと勝てへんで。必勝法を伝授してやったんや、絶対勝てよ」 話は終わりとばかりにふんぞり返られたので、仕方なく「わかりました」と頷いた。 そこで、あることに気づいた。
/267ページ

最初のコメントを投稿しよう!

171人が本棚に入れています
本棚に追加