俺の光

24/42
前へ
/267ページ
次へ
聞き慣れたざわめきがスピーカーから流れだす。 ハンディカメラで撮影されたのだろう、若干手ぶれのある画面に映し出されているのは、白いライトに浮かび上がる四角いリングだった。 そこへ明るいテンポの曲が流れ出し、二十代前半くらいの男が入場してきた。 あたたかな拍手が上がるなか、リングアナウンサーが対戦者の名前を告げた。 それを聞いて、胸がドクンと鳴った。 場内にダン、ダン、ダン……とドラムスが鼓動を刻み、In the warrious code There's no surrender ……低く艶のある歌声が流れ出す。曲とともに現れた男は、 貫一さん……。 今よりかなり細いが、それは間違いなく貫一さんだった。
/267ページ

最初のコメントを投稿しよう!

171人が本棚に入れています
本棚に追加