俺の光

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身体中が震えだす。 ぐっと拳を握る。 彼を抱えて世界に行くと告げた、自分の言葉の重さを、今更ながら痛感した。 俺は、自分の才能にうぬぼれていた。 だから世界を目指すだなんて大きなことも平気で言えた。 俺は、本当に子供だった。挫折知らずのお坊ちゃん。何も知らなかった。敗北の味も、貫一さんの苦しみも。 そんな幼稚な俺の夢語りは、彼を呆れされるものでしかなかっただろう。……相手にされなくて当然だ。 恥ずかしさで頬が熱くなる。 強い男でありたかった。 あなたが誇れる選手になりたかった。 だけど、いくら体を鍛えても、未熟な心は脆かった。 貫一さんは、負けてうなだれる俺の背を支えて、何度も繰り返し励ましてくれた。粉々になった俺の心を寄せ集めて、元に戻そうとするように。 あんなにみっともなく弱さを晒しても、彼は俺を見捨てず、心配してくれた。 それなのに、俺は……。 「……最低だ……」 ごめん、ごめん貫一さん。
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