俺の光

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焦がれる気持ちが厚みを増す。堆積して膨れ上がる。もう、好きだなんて言葉では追いつかない。愛なんて言葉も超えている、ただひたすらに、あなたが欲しい……! 噴き出す感情のまま動きかけたとき、心の底に押し込めていた言葉が浮上してきた。 ――お前のこと恋愛としては見れない 心臓が、ピキッ、と冷たく軋んだ。 ……これまでは、世界チャンピオンになってあなたを手に入れることしか考えてなかった。 たとえあなたが不本意でも、約束が順守されればいいと思っていた。 それに、俺が世界を獲れば、あなたはトレーナーとして最高の幸せを感じられるだろう。それを与えた俺のことを、きっと好きになってくれるはずだ。 ……そんな子供じみた自分勝手な考えで、あなたに約束を押し付けていた。 あなたの気持ちを無視していた。
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