俺の光

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好きだという気持ちだけで突っ走っていた時は、あなたのことを本当に想えていなかったんだ。 だけど今は、心の底からあなたを想ってしまった。 ――男に抱かれるのも嫌だ あなたが嫌なら、抱かないよ……。 あなたを抱えて世界を目指すと言ったあの誓いは必ず守るけど、それが果たせても、あなたを無理に自分のものにはしない。 体だけが欲しいんじゃない。俺は……。 彼の手を、そっと握り締める。 「貫一さん」 呼び掛けると、優しい瞳が揺れた。 その瞳に、もう一度誓う。 「あなたを、必ず世界に連れて行くから」 貫一さんは少し眉を下げて、首を傾げるように頷いた。 「……ああ、……楽しみにしてる」
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