栄光をあなたへ ４（完）

俺の光

まずウォーミングアップとして地下のプールで１時間水中ランニングをする。
次に、２階のマシンルームでケーブルマシンやレッグカールなどの器具使って上半身・下半身それぞれの筋肉を鍛える。

それから8階の個室に入り、バンテージを試合並みにグルグルと手に巻き、サンドバッグを叩く。無心で、ひたすら叩き続ける。
とうとうサンドバッグの表面が破れたので縫い合わせ、補強のためにテープを張って布を巻きつけてから再び叩く。
何時間も叩いたあと、ふらつきながらロードに向かう。そして、空が白むまで走り続ける。

くる日もくる日も、それを繰り返す。
半月が経つと、尿に血が混じるようになった。
体が悲鳴を上げているのはわかっていたが、俺はそれを無視した。

ヒュン、ヒュン、――ロープが空を切る音が室内に響く。

この日は整備のためにプールが使えなかったので、代わりのウォーミングアップとして８階の個室で縄跳びをすることにした。

身体はほぼ上下させずに１kgのロープを素早く跳んでいく。