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なぜかハイテンションになって腕を広げる長浜に怪訝な顔をしていると、智典がすっと俺の横にやってきた。
「俺の貫一さんのために、ありがとうございます」
笑顔でぺこっと頭を下げる。
長浜がうっ、と一歩下がった。
「お、おう……」
「ほんと、ありがとな長浜」
腐れ縁だけに礼をいうのは気恥ずかしかったが、軽く頭を下げた。
長浜はちょっと困ったように薄い眉を下げて、
「いいってことよ。……じゃあ俺、そろそろジムに戻るわ。来宮、練習頑張れよ」
「はい」
「いいか、くれぐれも練習だけに打ち込めよ」
「はい」
戸口が閉まった。
とたんに、ズイッと智典が寄ってきた。
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