ハートブレイクショット

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「……」 智典はほっぺたを押さえてしばらく何事かを考えているようだった。が、いきなり素早いステップを踏んで、俺の背後をとった。 何だ!? と振り向く間もなく、後ろからがっしりとホールドされてしまった。ジタバタもがいて叫ぶ。 「おいこら何してんだ、放せ!」 「貫一さん、むっちむちで抱き心地最高だ……」 智典の手のひらがふんわりと俺の胸を包んだ。 「柔らかい」 純度100%の筋肉だけで構成されたような智典とは違い、俺の胸は脂肪がついてタプンとしている。 現役からリタイアして筋肉が落ちただけでなく、食事制限から開放されて飲み食いの量が増え、しかも歳で代謝が落ちたせいだろう。 女性ならAカップ……いや、半端に筋肉のベースが残っているぶん、Bカップの厚みがあるかもしれない。 その胸を、節張った大きな手が、下から掬い上げるように持ち上げて、ソフトタッチで揉んでくる。 女ではないのだから胸を揉まれたところで何も感じないはずなのに、智典に揉まれていると思うと、ピクピクと体が揺れてしまう。 「ば、かっ、そんな、いやらしく触るなっ……!」
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