Hospital

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 好きだったなんて、過去の話じゃない。  今だってこの先だって、俺の思いは色あせない。  色あせることなく、じっと胸の中に佇んで、ありふれて平凡だった俺の人生に色を付ける。  平凡って言うには、ちょっといろんなことがありすぎる人生だけれど。  「うそ、うそ…」  鷹山は自分のまたの間を見ながら目をまるくする。  「ほんとに、入っ……」  彼の眼に映る通り、俺の性器は彼の胎内に入っていく。ゆっくりと、でも確実に。  「んあぁっ!!」  少しの難もなく、鷹山の体は、俺を呑み込む。  狭い器官は入口が俺の根元に食い込み、それでも、竿を柔く包む。  にゅるにゅるとまとわりつき、ひくひくとふるえる。  震えながらゆるくゆるく絡みついて、うごめく。  「あぅ…あんっ、あぁっ」  きみの脚が俺の腰に絡む。  今までそうだったように、きみはその淫らさで、俺を誘う。  「や、ど、しよ…こし、とまんね…!!」  自分から腰を揺さぶり、抽挿が激しくなる。苦しげに呻きながら、きみの入口から潤った音がする。  水音は激しくなって、きみの心音が激しくなる。  「あ、あ、あ、あ、あ、」  きみの頬を涙が伝う。  気持ち悦すぎて、泣きそうになった。  こみ上げる射精感に性器を絞り上げられる。  「渋、谷さ、……きよはっ、る。きよはるっ!」  ビクビクと痙攣しながら、きみが俺を呼ぶ。  俺を呼びながら俺の背中に爪を立てる。  緩んだ包帯に血の赤。  「俺、……おれ、どうしよう!でちゃうっ!でちゃうっ!あ――――――!!!」  きつくきつく瞼を閉じた。  きみの甘い声があられもなく耳に響く。  享楽の涙が頬を伝い、一気に射精する。  溢れだす。  想いも、すべて。  溢れて。  溢れて。  「愛してる」  俺は弱い言葉ばかり、吐き出してしまう。
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