111人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は酷い嘘つきだ。
きみが忘れてしまうことを知っていて、それでこんな嘘を吐く。
その場しのぎのおためごかし。
「…やだよ」
きみは真っ直ぐに僕を見る。僕を見て、頬に添えた手を握る。
「俺は今のままの清遥がいいよ」
ねぇ。
きみは忘れてるだけなんだよ。
僕がどれだけ酷い人間か。
ねぇ。
思い出して何て言えないよ。
言えないけど。
僕は。
僕らは。
もう限界なんだ。
最初のコメントを投稿しよう!