High School Days

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 「無茶苦茶っ!好きなんだけどっ!」  目ぇひんむいて、歯ぁ剥き出しにして威嚇する猿みたいな顔で鷹山が俺に言った。  「……うん」  何でベタに校舎裏なんかに呼び出すのかなって。  何で好きだっていいながらそんな怒った顔すんのかなって。  聞きたくなりながら学ランのフォックを外した。  取り敢えず俺の言った「うん」って言うのは前置詞みたいなもので、面接のときにまず「はい」って応えるのと同じ意味を持っていた。  決して了承や受容や受入を意味する言葉じゃない。  ましてや同意等では一切ない。  「よかったぁ……」  だから本当なら、鷹山が顔を真っ赤にして気色満面みたいな表情で俺を見るのは間違っていて、その大きな目玉から嬉し泣きとしか思えない涙を零されてもどうしたらいいか判らない。  「俺、マジで、清遥、好きで……」  へなへなと座り込み、笑ってるみたいなくちゃくちゃの変な顔で泣きながら言われて胸の奥がぼっと熱くなる。  「嫌われたら、ど、しよかと、おも……」  ひぃーんって、変な声で泣く。  お前は馬かって、突っ込みたくなったけど、それより先に俺の手は鷹山の腕を掴み、その華奢すぎる体を引き上げた。  「何で、泣くの。」  膝に付いた砂埃を叩いてやると、鷹山はぐしぐしと涙を拭い、鼻水垂らしながら笑う。  「清遥が好きだから」  なんて、訳のわからないこと言って笑う。
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