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「うーん、そう考えちゃうと。誘惑的な話だなぁ。…お前に気づかれないうちに黙って勝手にインストしちゃえばよかったか、その手のもん。ああ、何でもない普段の一人でいる油断したお前を見たり聴いたりし放題のチャンスだったかも」
身悶えるな!頼むから。ここ、人通りも多い普通の路上だし。
「目的が完全に変わってるじゃん。それに、部屋で一人でいる時なんかあんたが想像するほどカラフルでも面白くもないよ。ほとんど何の音声もなくごそごそしてる気配だけじゃない?」
「そうか?スマホをベッドの横に置いた状態でうっかりオナニーしたりしない?」
「しないよ!」
ほんとまじ、こいつ最低。わたしは心底うんざりして変な方向に逸れた話の筋道を元に戻そうとした。
「そこまでしなくても大丈夫だよ。普通の家政婦と一緒でしょ。家の人がいるところで二時間家事するってだけじゃん。ましてもう何回かそこで仕事して、顧客の人柄もわかってるんだから。いきなり知らない人のところに一人で行くことに較べたら全然問題ないよ」
それでも青山くんは完全に納得した風ではない。
「そうかなぁ。家政婦だって実際はいろんなトラブルあると思うよ。顧客と一対一のやり取りじゃなくて派遣業者とかに入ってもらう方がいいのはそういうことだと思うけど。じゃあ、監視アプリはともかく、仕事中は音声通信で飛ばしとけよ。スパイグッズ使う?盗聴機能付きボールペンとか」
「そんなのあんのか。どんだけ盗聴マニアなの?」
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