3人が本棚に入れています
本棚に追加
「何が怖いだ!全く怖がっておらんだろう!良いからさっさと話さんか!」
そんな彼女を見てやれやれと言うように話し出した。
「我らが女王様、女王様の探しものはある者によって盗まれました」
「…ある者とは誰だ!誰が盗んだ!ジョーカー!」
クスクスとジョーカーは笑い出し
「ーーーですよ」
と答えた。
今、煌びやかな雰囲気を纏っている部屋のにいる。
周りを見渡すとこの部屋には高貴な家具が揃っており、それだけでお金持ちだと言うことがわかる。
また、前を向くと長いテーブルを挟んだ向こう側にエメラルドの大きな切れ長の瞳に真っ黒な髪を横髪はサイドに垂らし、後ろの髪は簪で止め、大きな花をあしらった赤い着物を肩を出して着ている綺麗な女性が妖艶に微笑みながら座っている。そんな女性のそばにはピエロを思わせるような柄のスーツを着た長身の男が立っている。その男は仮面を顔につけているので表情が見えない。しかし、口元だけが見える。その口元はにんまりと弧を描いている。そして俺が座っている席の後ろにはこの部屋に似つかわしくない大きな時計がある。高さや横幅がこの部屋と同じぐらいの大きな時計がだ。
カチカチ、カチカチ。
その音だけがこの部屋に響き渡り、俺の耳には否応なしにその音が入ってくる。
そして、時計の針が丁度3時を示したその時、後ろからボーン、ボーンと大きな音が耳に響いた。それを合図に綺麗な女性は口を開く。
「妾のお茶会にようこそ。歓迎しようぞ」
そう言いながら妖艶に微笑むのだ。
俺は今きっと顔が真っ青に青ざめているだろう。
カタカタと身体が勝手に震える。
(……どうして、どうして俺はこんなことになっているんだ。俺はただ図書館に行っただけなのに……なんでーー)
最初のコメントを投稿しよう!