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「もう一人のジャポネーゼを発見した時には、大雨の日で、コベルチャーノの教官たちも早退していたんだ。これだから最近の若いもんは! しかし私が担当者だったので、施設の周りを確認していた、すると施設に入る大門の前で、もう一人のジャポネーゼは、大門を見上げながら、ひたすら泣いていたんだ、、私はそっとコートをかけて、髪が長いジャポネーゼを温めてあげた。そして耳元でそっと、「君がタクト、波賀択刀なのかい?」と聞いたんだ、するとそのジャポネーゼは、落ち着いた表情に変わり、大きく頷いた。小柄な体型でスカートを履いた格好、外見だけで、もう一人のジャポネーゼの障害がわかったよ。私はそのまま大門を開けて、中に入れた。コベルチャーノ内のホテルを案内したあとに、ジャポネーゼの生い立ちを聞いたんだ。とにかくサッカーが好きという気持ちが強かったことを記憶している。そして彼女の方から名前を偽っていることを告発された。しか
しコベルチャーノの規則に、女人禁制の規則はなかった、、、なぜ彼女がその名前で登録したのか? 男の世界だから、男しか入られないと思ったそうだ。逆に、舞子は、発音ならこちらの国では男の子の名前だったのに。彼女は授業でつねに自分の意志と考え方を主張していた。実技はてんでダメだった。通知表で言うと、マイナス2。周りに迷惑をかけているレベル。それからマイナス1、試合には入れてないレベル。0はいた事にならない採点不能。さらに1から、5。5まで点数がついたら、そいつはマラドーネだ。舞子の成績は最低だった。戦術議題に関すると、常に4以上。5まで点数がついた事もあった。戦術点数で歴代最高卒業生の、アリーゴ・ザッキを上回った噂は、本当だったんだ。それを私達は目撃した。彼女が全課程を修了したあとに、本当の名前を私だけに教えてくれた。彼女のほうとうの名前はマイコ、藤間舞子(とうま・まいこ)」
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