マトリョーシカ
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それはマトリョーシカの胴体部分の方から出てきて、ずるずると床を這いずるようにして、わたしの方へとゆっくりと近づいてくる。 ママ、ママと言いながら。 「あっ……あたしはママじゃないっ!!」 あまりの異常な光景に、私は叫んで、傍のソファーにあったクッションをそれに向かって投げつけた。 でも、それは怯むことなく、私の元へとずるずると進み続けてくる。 ママ、ママと。
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