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あの女が自ら命を絶ったということを興信所から聞いたのは、今から半年前のことだった。
蒸し暑い梅雨のある日。その女の名前で、旦那宛てに小包が送られてきた。
既に亡くなっている人間から小包が送られてくること自体、気味の悪い話だ。
受け取りを拒む訳にもいかず、宅配業者から小包を嫌々受け取った私は、旦那に知らせることもなく、開けずに捨てた。
旦那が普段利用する駅の2つ先の駅のゴミ箱に。
それから1週間が過ぎた頃。
再び、我が家に小包が届いた。
旦那宛てに、またしても亡くなったあの女から送られてきた。
この間捨てた小包と同じ大きさの小包に顔を近づけて、私は試しに軽く振ってみた。
結局、何が入っているのか分からないまま、私は再び小包を捨てた。
今度は4つ先の駅のゴミ箱に。
何が入っているのか、全く興味がない訳でもなかった。
でも、あの女と旦那を結ぶ何かを目にしたくない気持ちの方が、その時までは強かった。
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