マトリョーシカ

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 恐る恐る、小包を見る。動いたように見えたのは気のせいだと、心の中で何度も言い聞かせる。 開け放していた窓から、雨の音が激しくなったのが聞こえてきた。 左右に動く扇風機の生ぬるい風が、顔に微かにかかるのが、鬱陶しい。 死んでも尚、こうして私を苦し続けるあの女が、気持ち悪くて、憎くて、怖い。 今更、何を旦那に送りたいのか。 私はカッターを使い、小包を上から激しくメッタ刺しにした後、乱暴にこじ開けた。 すると、中から現れたのは、1体のマトリョーシカの人形だった。
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