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あの人の事は許せなかったけど、それ以上に子供を奪ったあの女が許せなかった。
殺してやりたかったけど、あの女は塀の向こう。
色々と調べているうちに、鬼がいる祠の存在を知った。自分の死と引き換えに、必ず相手を殺すらしい。その日のうちにその祠へと向かった。
初めて来たのに懐かしいと思う、不思議な感覚のまま祠へ祈った。
目を瞑りしばらく祈り続けていると、私の前に気配を感じた。目を開けて見ると、人のような形をした人でない者がいた。鬼は血の涙を流していた。
私はどうなっても構わないと伝えると、あの女と腹の中の子を食べたので腹がいっぱいだと言う。どうなってもいいのなら、お前を抱かせろと言われた。私はそれでいいのなら、と了承した。
鬼に抱き抱えられて山の奥に入って行くと、いつの時代からここにあるのかと思うほどのボロボロの小屋に連れて行かれた。
その床板に私を降ろし、私達は混じり合った。
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