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我を忘れて叫びました。そして何があったのか村人達に問い詰めました。
なんと驚いたことに、私が荷物を抱えて山を下りるのを見た者が村を出ていったと思ったこと。家で寝ている息子を捨てたと思ったこと。そんなふざけた事を言っておりました。
そしていらない子供なのであれば、龍神様に捧げようと供物にしようと思ったそうです。
しかし自分達も空腹の限界だったので、首を切り離し頭を池に捧げ、体は村人達の食料となったそうです。
そして雨が降ったのだから良いであろうと。
それを聞きましたら心の痛みが限界になりましてね。知っておりますか?心の痛みが限界に達すると、人は血の涙を流す事を。
血の涙を流し、声が枯れるまで叫び、人である私は死にました。
そして私は鬼となりました。
息子に手をかけた村人全員を殺しました。
息子の首を抱きながら、殺した者達を食べました。悲しみなのか、人の肉の美味さなのか、私は血の涙を流しながら食べ続けました。
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