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時は流れて「平成」と呼ばれるこの時代。未だに山奥にありますここには、もうほとんど人は来なくなっておりました。
一年に数人、本気で覚悟を決めた人のみが訪れておりました。
もちろん冷やかしに来た連中は骨も残さず食べましたがね。
それが何という運命のいたずらでしょうか。
妾に子を殺された。自分はどうなっても構わないので殺して欲しいという願いが届きました。
どうやら臨月の時に物陰から背中を押され、段差から落ちて子が流れたようです。
長い間子宝に恵まれず、ようやく出来た子だったようです。妾もまた子を身篭っており、正妻に嫉妬を抱いたようでした。
実は初めて、子を身篭っている女を喰らったのでございます。腹の中にはもちろん子がおりました。
どうしましょう。もう既に一度で二度美味しい状況でございました。
私の腹は膨れ満足でしたが、願掛けをした者の所に赴きました。
顔を見て、驚きとともに確信いたしました。流行病で死んでしまった私の最愛の妻であると。
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