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「そ、そんな事を言われましても……困りますわ。
わ、私は、睦月様一筋なんですのよ。
そんな簡単には、あなたの気持ちになんか
応えられませんわ」
「……そんなの知ってるよ。
今すぐ振り向いてもらおうなんて思ってねぇーし。
少しずつでいいから
俺を見て好きになってくれればいい。
待っているからさ」
照れたように頬をかく金本君。
「そんなの……いつになるか分かりませんわよ?
私は、簡単に落ちるような安い女ではありませんわ」
すると金本君は、茉莉華ちゃんを真っ正面から
抱き締めた。
「……そんなの知ってる。ずっと見てきたから
待つぐらい慣れてるし。
幼馴染みを舐めるな!!」
ギュッと力を入れて抱き締めた。
「ちょっと……離して」
「……嫌だ」
「……本当……野蛮人なんだから」
そう言った茉莉華ちゃんの瞳には、
大粒の涙が溢れていた。
「どうやら、上手くいったみたいですね?
金本君と茉莉華ちゃん」
睦月君は、コクりと頷いた。
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