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番外編 ビンケの紹介
ユンーリ星がまだ元気な時だった。
俺はまだ元気な子供だった。
親にお小遣いを貰って、新しいタブレット端末を買いに行こうとした時だった。
奴は現れた。ビンケだ。
ビンケは屋台で酒を飲みながら、他の腕で、ホースを持って水浴びをしていた。
これだけでキチガイ度は伝わったかもしれないが、問題はこの後だ。
「ギジュナじゃないか。お前も一浴びどうだ?」
奴は俺にも、路上での水浴びを強要してきた。無視しても良かったが、3時間ぶりに会ったのでこれも何かの縁だと思い誘いに乗ることにした。
酒を片手に2人で水浴びをし始めた。
「なぁお前は、何でこんなことしてんだ。」
「酒を飲んだら、身体が熱くなった。
だから冷ましている。」
知能指数の低い答えを聞いていると、こっちまで頭が悪くなりそうだ。
「この後、空き地にこの星を貫通する穴を掘らねーか?」
冗談だと思ったので、無視していたらどうやら本気だったようで急にキレ始めた。
本当に沸点がわからないやつだ。
「ギジュナいいから掘れよ。早く行くぞ。
おいっ聞いてんのか。」
どんどん顔が真っ赤になっていく。このままでは、この店が危ないと思い素直に空き地にトンネルを掘ることにした。
2人で合計100発くらい殴っていると岩盤が見えてきた。
「ここからは、全部俺が掘る。硬い岩盤大好きだから。」
「ちょっとだけ手伝おうか?」
掘っているうちにどうやら、自分も楽しんでしまったようで簡単には諦めきれない。
「俺が掘る。」
「2人で掘るって…のは?」
「俺が掘る。」
「OKわかったよ。お前が掘りな。だが、最後に1つだけ聞かせてくれ。」
「何だよー。」
誰だこいつにこんな言葉教えてやつ。
そう思いながら、さっきから疑問に思っていたことを聞く。
「お前は、硬い岩盤があったら、掘りたくなるのか?」
………
「あぁその通りだ。」
本当にこいつといると、ロクな目にあわなさそうだ。
そう思いながら、その場から立ち去った。
この後の話だが、ビンケが岩盤を掘り始めてから、地下爆発と呼ばれる現象が起きるようになったと言う。
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