第一話 【ねェ、お兄ちゃん】

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「……………あ、れ?」 気が付けば、僕は見知らぬ場所にいた。 勿論、久し振りの外出をした僕に此処がどこだか分かるはずもなく、 「………ぇ………と」 完全に迷ってしまった。 相変わらずと言うべきか、周りを見渡せばお兄ちゃんのポスターばかりが目に付く。 それだけじゃない、周りには 雑誌や過去のインタビュー記事何てものもあった。 挙句の果てには、テレビにまで。 「………遠いなぁ…………」 まるで眩しいものを見たかのように、僕は目を細める。 分かってた筈だろ。 僕とお兄ちゃんの差は雲泥の差だって。 そう、分かってた筈なのに。 こうも、見せつけられるかのように見せられれば、胸が締め付けられるように痛くなるのだ。 《分かってた筈の貴方との差》 《それを改めて嫌でも感じさせられた》 《ああ、息が苦しい》
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