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「あんた今週の日曜日家にいるわよね」
「えっ」
夕食終わり。そのままリビングでだらだらとバラエティー番組を見ていたら、母にそう聞かれた。ジャバジャバと洗い物をする音が聞こえてくる。
「ちょっとまって」
そう言い、予定が入っていなかったか考える。部活は確かなかったし遊びに行く予定もなかったはず。
「たぶん家にいると思うけど」
「よかった。じゃあ悪いんだけど薫ちゃんの相手をして上げてくれない?」
「薫ちゃんの?」
「そう、久しぶりに綾乃がこっちに来るっていうから色々案内してあげるのよ」
綾乃さんは母の妹で薫ちゃんはその娘だ。
「別にいいけど」
「ありがとう。……これでお酒飲み行けるわね。」
「はーい」
それが薫ちゃんを連れて行かない理由か。
薫ちゃんか。たぶん最後に会ったのは二、三年前だったはず。当時幼稚園の園長さんとか言っていたような気がするから、今小学校低学年ぐらいになるのか。記憶の中から薫ちゃんの容姿を思い出そうとするけど、上手く思い出せない。
「薫ちゃんあんたにべったりだったわよね。何処に行くにもついて回って」
「そうだっけ?」
「そうよ。お兄ちゃんお兄ちゃんって。覚えてないの?」
言われてみればそんなだった気もする。
「まぁ、兎も角、よろしくね」
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