序章

3/4
前へ
/65ページ
次へ
「では、船長私がスフィアで出ましょう」 スフィア… 宇宙港の格納庫に搬入されている坂東君達、元軍人等が扱う為の多目的機、主に民間で不穏な事態に対処するために扱われる事が多い有人機 3世代程昔の機体だが スペースデブリを防ぐための球体に近い構造を持つ非常に堅牢かつ安価であるために 未だに生産され続けている傑作機だったか… 「坂東君、危険ではないのかね?100㎞以内の近距離なのだから遠隔操作型無人機で充分のはずだが?」 「おっしゃる通りですが、元軍人の私は遠隔操作無人機よりも有人機の方が総飛行時間が400地球標準時間程、長いため扱いなれています それに、その為のスフィア、その為の私です」 「そうだったな、その為の使い捨ての君達だったな、それに人類初の異星人かも知れないわけだから見目麗しい元軍人女性が手ずから救出する方が当然マスコミの受けも良いだろうしな」とは流石に当人も承知の上であろうとも口には出せなかった……… 数分後 坂東君が乗り込んだスフィアはふわりとした動きで、こんぴらには一基しかない民間用の多目的作業ポッド用の短距離型カタパルトから離床した… 何ともまあ…無様な機動だ… 姿勢制御ごときに複数回の姿勢制御スラスターの噴射に上下左右に蛇行しながらの接近… 唯一の救いは…彼の手前で何とか急停止が出来たことくらいか…… 何ともまあ…惨憺たる結果だな…… しょうがないか…… 彼女は宇宙開発、いや火星開発の為に政府によって促進栽培的な育成を行われただけの人材なのだから…… (当然優れた才能も無い、あれば自衛軍の軍人のままだからだ……) 「船長、このまま相対速度を合わせつつ彼?を捕獲いえ保護するために接近します」
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加