電波にのって

チューン

同じクラスの男の子。テニス部でいつも日焼けしていた。

別のクラスの友達のところから、自分の教室に戻ろうとしたときに、出てきた彼にぶつかりかけた。あのときの顔は覚えてなくて、多分恥ずかしくて、ごめんねって言うので精一杯だったと思う。

髪型にこだわりなんかなかった私が、バッサリ短くしていった朝、離れたところで彼は目を丸くして、私を見ていた。その顔はなんだか可愛くてよく覚えている。

好きだった。彼のこと、全然知らなくて、何がいいのかわからないけど、好きだったのは間違いない。明るくて笑顔しか覚えてない。

あの頃、夜は必ずラジオを聞いて勉強したりしてた
。
流行りの曲から懐かしい曲まで。葉書も出した。読まれて嬉しかった。あのときもらったステッカー、どこにしまっちゃったんだろう。