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このまま生きていても、あたしの人生に良いことなんて起きるハズない。
だからもう死んでこの最悪な人生を終わらせる。
ただその前にいくつか言っておきたい事があるから、それを書いておくことにした。
お母さん、どうしてあなたはそんな顔やスタイルで赤ん坊を産もうなんて考えたの?
どうして自らの容姿が子どもに引き継がれる不幸を考えてくれなかったの?
あなたがあたしを産んだせいで、あたしの人生最悪だった。
勉強も運動もできない。それでいてなにか取り得があるわけでもない。
ほんとに最悪。
こんな人生、お別れできて清々する。
お父さん、どうしてあなたはロクに給料も稼げないクセに、家庭を持つなんて大それたことしたの?
自分の所得で、子どもをちゃんと育てられないことなんて、ちょっと考えればわかったことでしょ。
あなたの家に生まれてきたせいで、あたしは他の子たちみたく綺麗な洋服も買ってもらえなくて、ちゃんとした塾にも通わせてもらえなかった。だから勉強だってできなくてテストのたびに惨めな思いをすることになった。
なにより自分は毎日お酒を飲んで、だらしなく酔っ払うクセに、どうして私に真面目に生きなさいなんて言えるの。
人の事をとやかく言う前に自分の事をなんとかして。
あなたの作ったみすぼらしい家庭で育てられて、ほんとに最悪だったわ。
最後にみぞれ先生、あなたが一番最悪。
勉強ができないなんて仕方ないじゃない。
あたしは駄目な両親から産まれた最悪に可哀相な子なんだから。
どれだけ頑張ったってできないものはできないの。
『努力してできない事なんてない』って持論を曲げたくないからって、あたしにキツくあたらないでよ。
あなたが代理担任になってから、あたしの最悪な人生がもっと最悪になった。
できない事はどれだけ頑張ったってできないんだから、せめて見て見ぬフリする優しさを持って。
それでもあなたにはひとつだけ感謝してるわ。
それはこのどうしようもなく最悪な人生にお別れする決意をあたしにさせてくれた事。
あなたに二度と会わずに済んで清々する。
さようなら。
† † † † † † †
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