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十八時間の籠城、三時間の逃走劇、一分半の駆け足に疲れ果てたのか、濡れた路面に足をとられた男はすぐに起き上がることができず、その場で取り押さえられた。
「0時25分」
パートナーが男の手首に手錠をかける音を耳にし、息を弾ませたカシワギは安堵する。
「……確保」
「応援も着いたようだ」
それでも気遣って男を立たせるナガツカはカシワギに微笑み、街灯の光に浮かぶ雨粒を眺めた。
「ひどい雨になってきた、引き渡して戻ろう」
「はい」
「ご苦労様です」
ともに長い追跡を続けてきた刑事と、新たに駆けつけた応援の警官への身柄引き渡しと引き継ぎを始めたナガツカ。
騒がしくなってきた現場で、グローブの下の指輪の感触と重さを確かめ、カシワギが頬を緩めた時。
一帯に乾いた音が響き、全員がはっと身構える中で、目前にいた長身の男がゆっくりと崩れるように倒れた。
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