不死の通信兵と次代の魔女

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 言葉と同時に、それまで立っていた地面が抉れた。聞き慣れた発砲音が数発続き、悲鳴を上げた難民や通行人たちが地面に伏せる。ルーシーが首にしがみつき、俺はコーコント街道を真っ直ぐに走る。脇道に逸れるなんて全くの無意味だ。俺はこの八年間、コーコント街道を歩き、コーコント街道で死に、そしてまた歩いてきた。いま、俺の背中には魔女がいる。頼りなく幼く、そして将来絶世の美女になるだろう俺の(・・)魔女が。
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