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「いやいや、入るってお前。ここ・・・、酒場じゃねぇか。
俺たちの様な学生が入る場所じゃないだろ。」
さすがに、学生が二人で酒場って。
「ん?あぁ、ここ夜は酒場だけど、昼間は若い女の子や学生で賑わう、
カフェなんだよ。だから気にしなくて平気だよ!さ、早く行こ!」
そう言ってティルナは、複雑そうな表情の俺の後ろに回ると、背中を押す。
その勢いに乗り、俺は扉を開けざるを経なかった。
カランカラン。
扉に付けられた鐘が店内に響く。
店内は、入り口から見て左側がカウンター席になっている。恐らく10人くらいは座れるようになっている。
右側は、壁から店内中央に向け、長机が設置されている。
その机を囲むように、片側8席ずつ。1机で16人が座れるようになっていた。
「さ、早く中まで入って!」
そう言うと、ティルナはさらに背中を押す力が強くなる。
「おや、ティルナちゃんいらっしゃい。そちらは・・・。
もしかして噂のお兄さんかい?」
カウンターの中で、グラスを拭きながらこちらを見る人物。恐らく、店主だろう。がティルナに話しかける。
・・・ってか、ティルナって結構ここに来てる?
店主に名前で呼ばれてるくらいだからな。
「マスター、この人がお兄ちゃん!宜しくしたげてね。」
なにやら、店主はティルナの言葉を聞くと、俺に向かって軽く会釈をして来た。
「よろしく、あ~それとティルナちゃん。皆はすでに2階に上がってもらってるよ。」
マスターはそのまま2階へ通じる階段へと目配せをする。
「ありがとう!マスター!」
そう言うとティルナは、また俺の腕を引き階段へと向かう。
・・・さっき、マスターがみんなって言ってたけど。
一体なにがあるんだ、この店。それにティルナも何か企んでるのか?
俺は一抹の不安を抱きつつ、ティルナについていった。
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