第十二章 その名は、「CHAOS」

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「はっ!すげぇなすげぇな!さすが大魔導様。 そんなもんじゃ、効かねぇよな!クッハハハッ!!」 ヴェノキアは、さらに魔力を高める。 「・・・。魔力が上がっている。ハセット。このままでは・・・。」 ミヤビは、ローガンにヴェノキアの魔力量によるグラウンドの崩壊危機を促す。 「おい女。もうおせぇよ。」 ヴェノキアから放たれた魔力は一気にグラウンド内を埋め尽くす。 なおも、ヴェノキアから発せられる魔力は増大していく。 ビシッ、ビキビキ。 膨大な魔力の衝撃に、グラウンド内の防御障壁魔法が音を立てて崩壊し始める。 「くっ、サニスター!ウラガ!グラウンド内の生徒を避難させろ! 俺は、コイツを食い止める!!!」 ローガンは、瞬時にヴェノキアの眼前へと移動する。 「・・・。しかたない。今は君にまかせるよ。 ミヤビ君、君は南側を。僕は北側の生徒を避難させる!」 エバンの言葉に、ミヤビは頷くと瞬時に南側の生徒達を避難させ始める。 「・・・。あがくねぇ。だが、お前の判断は正しいかも知れねぇな。 ・・・俺の刻魔法。お前ら3人だけかと思ったが、もう一人効かねぇ ヤツがいたみてぇだな。げせねぇな。下等生物風情が・・・よぅ。」 ヴェノキアは、ローガンの後ろに見える人影を睨みつける。 「余所見とは、余裕だな!」 ローガンは、その一瞬を見逃さず、一気にヴェノキアの懐に入る。 右手に一気に魔力を凝縮し始める。辺りから冷たい冷気が立ち込める。 「・・・!?」 ローガンは魔力凝縮を行った右手をヴェノキアの顎に向けて放つ。 バキィイイイイッ!!! 「ぐぁッ!!!」 ヴェノキアは顔を仰け反らせて、後ろに吹き飛ばされた。 ローガンは更に攻撃の手を緩めず、吹き飛んだヴェノキアの軌道上を追うように、氷の刃を走らせる。 ドスッドスドス。 ローガンの位置から、ヴェノキアのいる位置まで地面から突き出した氷の刃たちは、防御壁へと、ヴェノキアを串刺しにして張付けた。 「・・・グッ、・・・ぐふっ。」 ヴェノキアは苦しそうに口から紫色の体液を零す。 「やはり、人間では無かったか。貴様。CHAOSの者だな。」 ローガンは、串刺しになっているヴェノキアへ言葉を投げる。
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