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「アカ、ちょっとこっちきて~」普段よりも高い声でお母さんに呼ばれたので、「わかった」と応えた。負んぶしていた、下から三番目の子をそのまま連れていったら、「その子はお姉ちゃんに渡して」とさっきと同じ高さで言われた。お姉ちゃんは末っ子の双子をあやしているので、ジャマじゃないか心配になったが、「大丈夫だよ」と、簡単に言われた。
お母さんの元に着くと、「ちょっと待っててね」と言われたので、ちょっと待つと、近所に住む女性が二人、お母さんと入れ替わった。
「まずは、この服に着替えて…」妙齢の女性が、私に豪華な服を着させてくれた。
「それから、この宝飾を付けて…」その隣にいた、老婆と言うには若い女性が首輪を掛けてくれた。そして、耳飾りも。これで、私は綺麗になれた。嬉しいので、すまし顔をしてみせる。
その後、村で一番広くて豪華な建物の中に、さっきの二人に連れられて入った。私に注目している人は、稲穂を収穫中の人だけではない。お母さんやお父さん、兄弟姉妹が建物の近くで私に向け手を振ったりしている。そのことや、泣き崩れている人がいる理由は、私には分からない。
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