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「それでは、柚川被告、証言台へ」足早に登壇した。
「では柚川被告、罪状は認めている、それでいいですか」
「俺は、灯里を殺してはいません」
「…どういうことですか」無い髪をかきむしりながら、弁護人は質問した。
「俺が殺したのは、間違いなく久高里香です」
「被告、何を言ってるんですか。久高さんは、ついさっき登壇してましたよ」
「いや、あれは久高灯里、俺の一人娘だ」
「…すみません。久高さん、貴女の名前をもう一度教えてくれませんか」
「久高里香です」
「そうですよ柚川さん。彼女が久高里香さんです。貴方が殺したのが久高灯里さんです」
「ふざけんな!俺はちゃんと里香を殺したぞ!記憶ははっきりしてんだ!どいつもこいつも俺を騙すな!お前も嘘つきだ!」弁護人に殴りかかろうとした被告を、警察官が間一髪で止めた。
「被告を落ち着かせてください」裁判長が、柚川被告を外に出すよう、指示した。
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