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大好き
二人はしばらく重なり、繋がったまま荒い呼吸を繰り返していた。
やがてそれが落ち着いてきた頃、典夫は知矢の中から自分の雄を抜いた。
「あっ……」
その瞬間、妖しい感覚が走り抜け、思わず甘い声が漏れてしまった。
「なに? 感じちゃった? 知矢は本当に感じやすいな……」
兄がニマニマと笑う。……くやしいが、こんなふうにいやらしい笑みを浮かべても兄の顔はどこまでも端整である。
「お、お兄ちゃんのバカッ、スケベッ……」
またもや真っ赤になりながら、知矢が抗議の言葉を投げても、兄はうれしそうに体を抱きしめて来る。
「も、も、もう、こ、これからしばらくは、怖い動画見ないようにしなきゃ……」
兄の腕の中でそう言うと、
「あ、それじゃ今度はオレが怖い動画見よーっと。それで怖くて眠れなくなったら、知矢のベッドにもぐり込みに行くよ」
そんなふうに返された。
「お、お兄ちゃんは、あんな動画、ち、ちっとも怖がらないじゃないか……」
「えー、そんなことないよー。オレも怖いんだからー」
兄が急にかわい子ぶる。
クールで端整な美貌には似合わないぶりっ子ぶりに、知矢はふきだした。
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