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弟に触れたくて
大学の学食で、典夫はコーヒーを飲みながら、知矢のことを考えていた。
昨日、知矢が女の子に告白される場面を目撃してしまってから、典夫の気持ちはざわざわと嫌な感じに乱れていた。
昨日の知矢の様子だとあの女の子とつき合うことはなさそうに思える。
しかし、だからといって安心はできない。
知矢は魅力的だ。
かわいらしく中性的な美貌の知矢だが、そういうタイプの男が好きな女の子も少なくないだろう。
またいつ女の子に告白されるか分からない。なんせ高校へ行っているあいだの知矢のことは典夫には知るすべがないのだから。
年上の女に誘惑されたりしないだろうな……。
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