兄の恋情

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兄の恋情

「もう君とはつき合えない。別れて欲しい」  大学のひと気のない裏庭で、典夫は彼女に別れを告げた。  彼女は目に涙をいっぱいためて、かぶりを振る。 「いや。どうして? 典夫くん。あたし、別れたくない。別れるなんて言わないで!」 「ごめん……」  典夫はもう一度そう言うと、その場を立ち去った。
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